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シネマぴあ

まったく違ったことをした方が飽きないでいられるし、観てくれる人にとっても面白いじゃないですか。
『クローズ』は続編ということもあって、ある程度イメージが固まっていたと思うので、それを崩したいという気持ちもありました。
それに『ホルモー』みたいに、いい大人が集まって、とんでもない金をかけてアホなことをするって素晴らしいですね。
脚本を読んだときには世間の動きまでは考えていなかったけど、まさに不景気の今だからこそおすすめしたいコメディになったと思います。
涙や感動を追求することなく、ここまで笑いがメインになった作品は、僕にとってもはじめての経験でしたね。

『ホルモー』のときは明るくて元気、『クローズ』のときは攻撃的だったって、友達に言われましたね。
重い作品をやっているとネガティブになったりするし、確かに周りは大変かもしれない(笑)。
でも僕にとっては当たり前というか、仕方がないことなんですよ。
撮影中は現場ではもちろん、移動中でも自宅でも台本を読んで、朝から晩までその役柄でいるわけだから。
それは楽しいことでもあり、しんどいことでもあります。
物事に両面があるのは、どんな仕事でも一緒のような気がしますね。

“役を取り込む”のではなくて、“役に取り込まれる”感覚というか。
自分自身でいられる時間は短くなるけれど、引き出しが空っぽになるっていう不安はないですね。
それよりも自分が、作品のたびごとにあっちこっちの引き出しのなかに入っていく感じが、今は面白い。
主人公だけではなく、『イキガミ』とか『252—生存者あり—』のような脇役をやらせてもらえるようになったのもうれしいことなんです。
観客の主観として爽やかでいい人にならざるをえない主役と違って、脇のキャラクターは自分発信の芝居で、もっといろいろなことに挑戦できる。
それが、ものすごく楽しいんですよ。

(髪の毛とひげを触りながら)だいぶ自由、ですよね(笑)。
昔は、テレビに出てるんだからもっときれいにしなさい、とか言われて反発したい気持ちがありました。
だってそんなことする必要ないですよね、男なんだから。
最近はなんでしたっけ? 草食なんとかとか言って男たちが中性的になってますよね。
服も肩とか腕とか華奢なものが多いし。
男がツルッと脱毛なんかしてどうすんだ! 主食が菓子パン!? 米を食え、米を! とか思っちゃいますよ(笑)。
女の人は男よりもメンタルが強いから、精神面で男を支える。
男は女の人よりも内面が弱い分、肉体を鍛える。そういうバランスが理想なんですけどね。


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—この作品の、どういったところに惹(ひ)かれましたか?

今までやったことのないタイプのコメディー作品だったので……原作の独特な世界観にすごく惹(ひ)かれました。

 

—今回はちょっと頼りない普通の学生ということですが、演じるにあたって心掛けたことは?

うーん、なぜかわからないんだけど、不快なやつにしようと思いました(笑)。気持ち悪い表情や動きをするし、ネチネチしているし、ハッキリしないし……。観ている人が「何だよ、コイツ!」と感じてしまうようなキャラクターにしたつもりです。

 

—主人公はわがままですがお人好しで、憎めないキャラクターでした。ご自身と共通するところはありますか?

まあ……自分もそういうところはあります(笑)。でも主人公の安倍ってかわいげがあるように見えるけど、人としてはダメなやつですね。そうなった方が面白いと思いながら演じました。でもこんな人間に振り回されたら大変だろうし、友だちにはならないと思います(笑)。

 

—友だちになりたくないタイプですか?

なりたくないというより、なれないです。彼の考えていることは、わけがわからないので(笑)。

 

—監督からはどんな指示をされていましたか?

基本的に、自由にやらせてもらいました。たまに、そうやるんだったらこういう風にした方がわかりやすいのでは? というアドバイスがあったくらいですね。

 

—撮影前に京都大学の構内を歩き回ってリサーチしたそうですが。

実際にどういう空気が流れているところなのかと思って、大学と学生寮を見に行きました。キャンパス内にはまじめそうな人やおたくっぽい人、ギャル男もいて……生徒さんたちは普通だったけど、学生寮には強烈な印象を受けましたね。

 

—本物の学生寮で撮影させてもらったんですよね。どんなところが強烈でしたか?

簡単に入っていけない雰囲気なんです。まず、入口ドアの一部分が壊れている(笑)。ギィーって入ると黒猫がいて。奥へ行くと、こたつがあって人が寝ている。戸惑いながら「見学……してもいいですか?」って聞くと「どうぞ!」って(笑)。もうそんな感じ。主人公が寮に住む友人を初めて訪ねるシーンがあるけど、僕があのとき受けた印象をそのまま思い出しながら演じました。あのシーンはセットじゃなくて、住んでいる人も、建物も、空気感も、すでに出来上がっている場所ですごかった。まあ、自分がこうやっていくら話しても、実際に行ってもらわないとあの独特さはわからないと思いますけど(笑)!

 

—ホルモーを行うシーンで、皆さんが(オニを操るために発する)オニ語を叫びながら何ともおかしいポージングを披露しています。パパイヤ鈴木さんが考えられたそうですね。

ご本人から直接指導は受けなかったんですけど、振り付けが入ったDVDをもらいました。後は、パパイヤさんのお弟子さんがキャストの中に加わっていまして、現場ではその人から教わることもありましたね。

 

—一番お気に入りのオニ語は?

うーん……「パパラッチ!」かな? マークしろって意味なんですけど。そのまんまですよね(笑)。

—共演の栗山千明さんが、オタク系メガネ女子という意外なキャラクターを演じていましたが。

彼女とは16歳のときに初めて一緒に仕事をして、今回9年ぶりの再共演だったんです。久々だったけど、変らないなぁと。簡単に人を寄せ付けない雰囲気を持っているんですよね。自分の中で栗山さんは『バトル・ロワイアル』や『キル・ビル』を観たせいなのか、美人だけどキレる女っていうイメージがあります(笑)。

—山田さんをはじめ、キャストの皆さんがすごく楽しんで演じているのが画面から伝わってくるようでした。現場の雰囲気はいかがでしたか?

雰囲気はすごく良かったです。学生のノリみたいな感じでワイワイやっていました。やっぱりこっちが楽しんでいないと、観ている人にも伝わらないだろうと思ってたし。だからといって、現場だけでの自己満足にはならないように、そこは気を付けていました。

 

—特に仲良くなった共演者はいますか?

以前、ドラマで共演したこともあった濱田岳(はまだがく)さん。ほかのメンバーとも仲良くしていたけど、基本的には岳君と二人でずっとくだらないことを言い合って、笑っていましたね。

 

—舞台となった京都の印象は?

町並みがきれいだし、落ち着いてる雰囲気があって良かったです。

 

—この作品に出演して、学んだところや改めて発見したことなどはありますか?

こう顔を動かしたらいいのか……とか、人を笑わせる要領を少しはつかむことができたような気がします。演技中に頭の中で突拍子もないアイデアが浮かぶことも多くて、自由に演じていいシーンのときに、アドリブを取り入れてみたりしました。自分がこんな風にユニークな発想ができる人間だとは今まで思ってなかったですね(笑)。

 

—山田さんは、作品ごとにまったく違う顔を見せてくれるイメージがあります。今後はどんなキャラクターに挑戦してみたいですか?

そうですね……『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーだとか、ヤッターマンとか(笑)。ちょっと個性が強い、人間離れした感じの役をやってみたいです。

 

—では最後に、これから映画を観る方々にメッセージをお願いします。

泣くところもないし、感動があるわけでもない。何も考えずに楽しく観られて、終わった後も何も残らない映画だけど、そこがいいんです。観終わった後、「あー、くだらね!」って言える作品はそうそうないと思うし。だからといって、金のムダになるような作品では決してありません。本当に面白いです。構えず気楽な気持ちで観ていただければと思います。

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