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―おふたりは初共演ですが、初めて会った時の印象は? 山田孝之さん:「初めて会った時に彼女の年齢を知ったんですよ。確かその時は……」 成海:「15歳でしたね」 山田孝之さん:「驚きました(笑)。それまでもテレビで見たことはありましたけど、現場でいつも落ち着いているから、大人だなぁ……って。ただ、一度、監督やキャストのみんなと食事に行く機会があって、その時に何故かわからないけどすごく笑っていて、15歳らしいところも見えたなと思いました(笑)」 成海:「私も山田さんの作品は見たことがあったんですが、共演は初めてだったのですごくうれしかったです。ただ、最初の頃は何を話していいのかわからなくて、何も話せなかったんですけど」 山田孝之さん:「僕も最近はだいぶ慣れましたけど、もともと人見知りなところがあって、相手に構えられるとこっちも構えちゃう。だから最初はなかなか話せませんでした。でも、僕はずっと見つめてましたよ。妹として愛さなくちゃいけないから、とにかく『かわいい、かわいい』って(笑)」
山田孝之さん:「そうですね。あと、今回は特に撮影期間がわりと短い上に、2時間全部がこの兄妹のストーリーというわけでもなくて、ポイントがギュッと凝縮されているから、気持ちや感情を昂ぶらせるのが大変だったというのもあります」
山田孝之さん:「踊ってたやつ。“だん、だん、だだん、だん”(※板硝子協会のエコガラスのCM)って(笑)」 成海:「それなんですか(笑)。私はドラマでも映画でもよく見ていましたけど。なんだろう……シンクロのやつ(※テレビドラマ版『WATER BOYS』)とか?」 山田孝之さん:「そういうイメージでした?」 成海:「というわけでもないですけど(笑)。でも、今ちょっとそれを思い出しました」
成海:「一番最初に盲学校に行き、実際にお話をさせてもらったり、目の見えない方々が日常的に動くというのはどういうことかということを教えてもらってから現場に入りました。あとは、撮影用に白く濁ったコンタクトレンズをつけていたんですが、私はもともと視力がすごく悪いんです。なので裸眼にあのレンズを付けていたので、実際によく見えなくて、モニターもよく見えていなかったので、本当にできているのか最初は不安でしたけど、そのあたりは監督とよく話しながら進めていきました」
山田孝之さん:「大変そうだと思いました。順撮りじゃなかったし。僕らの話は3つ目ですけど、たぶん2番目に撮っていたと思うから。彼の演じる藤本という人物は、気持ちを押し殺すように教育されていたのが徐々に壊れていく……という流れがあるのに、その壊れるところをやって、次にその中間のところをやんなきゃいけないとか」 成海:「私は残念ながら、映画の中では目線すらあわせていないんです。なので、次はまたいろいろお話できる役で共演したいですね」 ―映画は大きく3つの話で成り立っていますが、完成したものを見て感想は? 成海:「原作を読んだ時も感動したんですけど、その原作を読んで感じた部分が映像になるとより感動できて、すごいリアルだと思いました」 山田:「『塚本高史、ずるい』って思いました(笑)。あの泣きっ面はね……彼がテレビの前で泣きながら歌うところでグッときました」
山田孝之さん:「基本的に原作は読まないんです。原作が邪魔になると言ったら原作者の方には失礼ですけど、原作は原作であって、映画を作る上では台本が正解だから。原作を読んでなるほどと思っても、台本では違う部分があったりすると、そこで疑問を持ってしまう。それが嫌なんです。それに、漫画だと見た目まで出来上がっているから、すごく意識してしまう。撮影が終わった後にしても、自分が思い切って信じてやったものに疑問が生じてしまうのが嫌なので。原作は原作。だから読まないです」
成海:「原作は原作で自分が何か感じられればいいと思ってます。それはそれで別と思いながらやってます。なので一応、原作は読むようにしてます」
成海:「死ぬってこういうことなんだなと思いました。死んだら家族も失うし、いまこうして普通にあることが幸せかどうかはわからないですけど、死んだらそういうものも全て失うんだなということを改めて感じました」 山田孝之さん:「人はいつ何が起こるかなんてわからない。今日、帰りに事故で死んでしまうかもしれない。そうしたことは常に思っているんで、この映画をやって変わったとかはないですけど、ただ、台本を読んですごく面白いなと思ったのは、国とか法律とかの怖さを提示してるというところです。『どうですか、こういう中で生きさせられている感覚は?』って言われているような気がして。そこがとても興味深くて、ニュースやワイドショーでも国会議員や役人が話している様子をすごく見るようになりました。彼らは何がしたいんだ、次は何するつもりなんだ、この人たちが決めたことの中で僕らは生きているんだ……と」 |
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